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学校・家庭部会活動成果をまとめた図書発行
  本書は、子どもを対象にした交通安全教育がより効果的に実施され、一人でも多くの子どもが自他の命と安全を大切にできるようになることを目的として、日本交通心理学会学校・家庭部会における2005年から2013年までの9年間にわたる活動成果を図書という形にまとめたものです。

 本書は、第Ⅰ部の「基礎編」と第Ⅱ部の「実践編」から構成されています。第Ⅰ部の基礎編では、効果的な交通安全教育を実施するための心理学的な理論に基づく考え方、さらには、子どもの発達とそれに応じた教育内容や手法について論述しています。続く第Ⅱ部の実践編では、保育園・幼稚園、小学校、中学校以降別に、日本交通心理学会学校・家庭部会に関係する執筆者がこれまで実践してきた事例を紹介し、実施に際しての課題や教育の効果の点から、各事例の特徴を示しています。

 子どもの交通安全教育に携わっている、あるいはこれから携わろうとしている皆様には是非とも本書を読んでいただき、子どもの交通安全教育活動にお役立ていただければ幸いです。また、本書では子どもの交通安全教育を対象にしていますが、例えば、若年者や高齢者、さらには、職業ドライバーを対象にした安全教育に従事している方々にも有益な資料となる内容が含まれています。さらに、交通安全だけではなく、防犯などを含む生活安全や災害安全の活動に従事されている皆様にも、参考になるものと考えています。

 編者・執筆者一同が望むのは、本図書を通して、読者の皆様とコミュニケーションを図り、本図書を参考にして実践した取組みの感想や、成果の有無、改善点のご指摘、さらには一層有効な実践例などを頂戴することです。そうしたお声を次のステップに反映させて、教育現場のニーズに一層応えられるような内容に充実させていきたいと考えています。同時に、交通安全教育に対して、良き社会人教育という意味をも込めた書物として発展することを期待しています。

 輝かしい未来のある子どもたちが、安全を確保しつつ、他者との良好な関係を築きながら人間として一層成長するために、本書が少しでもお役に立てることを編者・執筆者一同心より願っています。