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会長挨拶
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 このたび交通心理学会会長を仰せつかりました太田博雄です。どうぞよろしくお願いいたします。
本学会が交通心理学研究会として発足したのが昭和50年(1975)でした。わずか11名の交通心理学者からスタートしました。西山先生の書かれた日本交通心理士会会誌(第8号2016)を拝見すると、西山先生ご自身を含め、初代会長の鶴田正一先生、丸山欣哉先生、長山泰久先生といった錚々たる方々が名を連ねております。私は研究会発足から数年の後、先輩の長塚先生に連れられて初めて参加させていただいたのが小諸自動車学校での研究会でした。その後、各地で研究会が開かれるたびに長塚先生とご一緒させていただいたのが昨日のように思い出されます。
 私がこの研究会に関心を持った最大の理由は、研究者と実務家が両輪をなして社会問題である交通事故防止に取り組むという発足理念でした。今から思いますと、私の研究スタンスの原点がそこにありました。この研究のあり方を戦略的研究と呼んでいます。戦略的研究とは、社会にある問題を解決するために研究を進める中で、科学の原理原則を発見して行こうする研究のあり方です。科学としての心理学は実学でなければなりません。人の役に立たなければなりません。交通心理学は特にその特徴が際立っています。その後、会員がどんどん増えて、ついに研究会は学会へと発展し、会員数も1000名近い大所帯に至りましたが、この理念は変わりません。
 私は、これから3年間学会会長を務めさせていただきますが、その間に実現させたいことが2つあります。一つは、学会の研究レベルの向上です。今のままの研究レベルでいいのだろうかというと自分自身も含めて不十分であると感じています。研究レベルを上げる方法の一つとして、国際交流による他流試合を行うことを考えています。昨年10月にフランス最大の交通安全研究所であるIFFSTARから講義依頼があり、フランスの研究者との交流ができました。これを良い機会と捉え日仏コラボレーションを持ちかけたところ、大変興味を持っていただき、現在、日仏間の研究者交流を進めております。両国間の共同研究を通して特に若手研究者育成が可能と考えています。学会では色々なチャンスを用意いたします。そのチャンスをぜひ生かしていただければと願っています。
 もう一つは、交通心理士の能力向上です。「交通心理士」の資格を名乗るためにはそれに見合った能力を備えていないと社会的な責務には耐えられません。その具体的な方策の一つが「3部会」(教習所、学校・家庭、企業)の活性化です。各部会でのプロジェクト研究をぜひ実現させたいものです。各部会で解決すべき焦眉の課題を取り上げて、その課題解決のために会員が結集するといいうイメージです。つまり戦略的研究です。交通社会での課題解決は実務家にとって必須です。研究者にとっては科学的理論構築のチャンスです。
 3年間で実現できるかどうかわかりませんが、会員の皆様の結束があればできないことはないと思います。みなさま、一緒にやりましょう。

2017年4月


沿革
1975年        日本交通心理学研究会として創立
1982年        日本交通心理学会に名称を変更
1986年        学会誌「交通心理学研究」発行
2002年        日本交通心理学会認定「交通心理士」資格制度発足